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免震レトロフィット(免震補強)


特長

  1. 安全性の向上
    免震層が地震の揺れを吸収するため、上部建物の安全性が向上します。(新築の免震建物と同等の安全性)
  2. 機能性の維持、財産の保全
    大地震後の建物機能および資産価値を確実に維持できます。
  3. 安心感・居住性の向上
    地震に対する安全性が確保されるため、居住者に安心感が生まれるほか、比較的短い周期で起きる小さな地震時の居住性も向上します。
  4. 建物機能の確保
    改修工事は新設する免震層のみとなり、上部建物の補強は最小限に抑えられるため、現状の建物機能が確保されます。また、改修工事中も建物の使用が可能です。

このような建物に適しています

  1. 一般的な補強方法では安全を確保できない建物
    一般的な補強方法で安全を確保できない場合でも、免震レトロフィットなら飛躍的に安全性が向上します。
  2. 防災拠点となる建物
    病院、庁舎など。被災後にほとんど補修を要せず、防災拠点としての機能を維持します。
  3. 内部収容物の価値が高い建物
    美術館、研究施設,データセンターなど。地震の激しい揺れを吸収し、内部収容物を地震から守ります。
  4. 歴史的建造物
    外観や内装などのデザインを変更することなく改修することができます。
  5. 日常使用に影響の少ない耐震補強を施したい建物
    基礎下または免震層での工事が大半を占めるため引越不要で日常使用しながら工事が可能です。

免震補強の種類

免震レトロフィットは,建物周辺条件や使用状況などを考慮して免震装置の設置場所を検討します。


  • 基礎免震
    地下階も含め建物全体を免震化する方法です。基礎下を掘削するため工事規模は大きいですが,建物全体が免震化されるため,地震時の機能維持性能は非常に高いといえます。
  • 中間階免震
    中間階の柱に免震装置を取り付ける方法です。基礎免震に比べて,短時間,低コストで施工可能ですが,変形に追従できるようにエレベータや設備機器の改修が必要です。
    地下階を免震層とする場合は免震装置を設置した深さまでドライエリアが必要です。
免震レトロフィットの種類の図

図1 免震レトロフィットの種類


設計・施工事例 − S社 本社棟 基礎下免震レトロフィット工事

 本工事は1971年に旧耐震設計で建設された本館(Is値:0.13)と1982年に新耐震設計で建設された北館を一体的に免震化するものです(図2)。企画提案した4案(全館の基礎免震、地階免震、本館のみの基礎免震、地階免震)の中で工事費は一番高額でしたが、施主側と協議を重ねていく中で全館を通常通り使用しながら工事が可能な全館基礎免震が採用されました。
 設計にあたっては、極めて稀に発生する強い地震動に対して建物構造体および人・家具等を含めた建物全体をほぼ無損傷に近い状態で守ることを目標とし、これを達成するために計画地周辺の地盤構造に基づき設計用入力地震動を設定し設計を行いました。
 免震層の接線周期は約9秒、水平クリアランスは800mm、免震装置の構成は、回転機構付すべり支承(BSL)36台、天然ゴム系積層ゴム支承5台です。
 免震層の施工は全体を5ブロックに分けて図3に示す手順で作業を進めました。工事期間中は建物の変位をリアルタイムで監視、さらに建物に近接して(5.1m)電車線路敷があるため山留め鋼矢板の変位を計測管理しながら掘削作業を行うことで建物の機能を維持しながら安全に施工を完了しました。

主な補強内容の図
図2 主な補強内容

【免震層の施工手順】山留め、建物基礎下の掘削→免震層躯体の構築→杭の切断→免震装置設置→完了
図3 免震層の施工手順

建物基礎下の掘削の写真
建物基礎下の掘削
免震層躯体の構築の写真
免震層躯体の構築
杭の切断の写真
杭の切断

免震装置設置の写真
免震装置設置
免震層完成の写真
免震層完成
建物全景の写真
建物全景

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