免震レトロフィット(免震補強) |
特長
|
このような建物に適しています
|
免震補強の種類
免震レトロフィットは,建物周辺条件や使用状況などを考慮して免震装置の設置場所を検討します。
図1 免震レトロフィットの種類 |
設計・施工事例 − S社 本社棟 基礎下免震レトロフィット工事
本工事は1971年に旧耐震設計で建設された本館(Is値:0.13)と1982年に新耐震設計で建設された北館を一体的に免震化するものです(図2)。企画提案した4案(全館の基礎免震、地階免震、本館のみの基礎免震、地階免震)の中で工事費は一番高額でしたが、施主側と協議を重ねていく中で全館を通常通り使用しながら工事が可能な全館基礎免震が採用されました。 設計にあたっては、極めて稀に発生する強い地震動に対して建物構造体および人・家具等を含めた建物全体をほぼ無損傷に近い状態で守ることを目標とし、これを達成するために計画地周辺の地盤構造に基づき設計用入力地震動を設定し設計を行いました。 免震層の接線周期は約9秒、水平クリアランスは800mm、免震装置の構成は、回転機構付すべり支承(BSL)36台、天然ゴム系積層ゴム支承5台です。 免震層の施工は全体を5ブロックに分けて図3に示す手順で作業を進めました。工事期間中は建物の変位をリアルタイムで監視、さらに建物に近接して(5.1m)電車線路敷があるため山留め鋼矢板の変位を計測管理しながら掘削作業を行うことで建物の機能を維持しながら安全に施工を完了しました。 |
図2 主な補強内容 図3 免震層の施工手順 |
建物基礎下の掘削 |
免震層躯体の構築 |
杭の切断 |
免震装置設置 |
免震層完成 |
建物全景 |
ダウンロード(PDF) |